医療の現場で求められる「統率力」

医療の現場で求められる「マネジメント」「リーダーシップ」についてなるべく具体的な事例を交えながら勉強してまとめるブログです。

第3章 「フィードバックを利用する」 フィードバックを受け入れてもらえない時は

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前回は「I Statement」の形式を使ったフィードバックについて勉強しました。

 

今回は、もしもフィードバックが相手に受け入れてもらえなかった場合について勉強します。

 

『Management and Leadership Skills for Medical Faculity』では、「Because I Said So」とタイトルが付けられている章です。

 

何が「私がそう言ったんだから」なのでしょうか?

 

早速勉強していきます。

 

 

 

中には、行動を変化させるための洞察力が乏しい人もいます。

 

つまり、誰かから何かを言われてもなかなか行動を変容させられない人、ということです。

 

指導をする側から見てみれば、自分が何かフィードバックをしても反応が乏しい相手に対してはどこか「やりにくいな」と思ってしまうものです。

 

例えば、十代の若者と関わる人であれば、どんなに気配りをして共感的で良質なフィードバックをしても、その効果に限界があることを知っているものです。

 

僕にはまさに十代の子供がいるのですが「言っても聞かない」という苦労はよくわかります。

 

そんなフィードバックを受け入れてもらえない相手に対してはどうすれば良いのでしょう?

 

 

 

『Management and Leadership Skills for Medical Faculity』では、これまでに勉強してきたフィードバックの手法を試したのちに、何を期待しているのかを明確にする(もしくは再度明確にする)ことが必要であると指摘しています。

 

具体的には、以下のような言葉が紹介されていました。

 

「あなたにしてもらわなければならないことは_______であり、そうしなかった場合には_______になる。」

 

しっかりとやって欲しいことを伝え、そうしなかった場合どうなるかを明確にすることが必要なのです。

 

 

 

感情的に怒っても仕方がありませんが、弱腰になっても仕方がありません。

 

深呼吸をして落ち着いて、遠回しに言うことをせず、はっきりと自分の立場を貫くのです。

 

冒頭に触れた「私がそう言ったんだから」とは、「私」の責任のもとにはっきりとフィードバックを伝え、それによる行動変容を促し、それが達成されなかった場合の対応も最初に決めた通りに行う、ということなのです。

 

日本人的には「遠回しに言わない」「はっきりと自分の立場を貫く」というのは少し難しいと感じる場面もあるかもしれません。

 

ただ、フィードバックが伝わらなければ組織全体としての行動にも支障をきたす可能性があり、当然ですが「締める部分は締める」必要があるのです。

 

 

 

というわけで、今回はフィードバックを受け入れてもらえない場合について勉強しました。

 

これまではどうしても「フィードバックをする側」の勉強だったので、次回は「フィードバックを受ける時の心構え」について勉強しようと思います。