医療の現場で求められる「統率力」

医療の現場で求められる「マネジメント」「リーダーシップ」についてなるべく具体的な事例を交えながら勉強してまとめるブログです。

第3章 「フィードバックを利用する」 はじめに

f:id:AzarashiMed:20200317232042j:plain

 

今回からは第3章として「フィードバック」を利用することについて勉強したいと思います。

 

フィードバックと一言で言っても、例えば大学病院の医学部では相手は学生や研修医、後期研修医から他の同僚に至るまで様々です。

 

また、フィードバックを与える方法も気軽に世間話をしているような状況で伝える場合もあるかもしれませんし、年間の業績報告会のような形式で伝える場合もあるかもしれません。

 

どんな相手にしても状況にしても、成長を促すためには必要不可欠なのがフィードバックなのです。

 

 

当然と思われるかもしれませんがフィードバックをするタイミングとして、とっさに行動を起こさなければならないような状況や、議論をする時間もないような状況、すなわち切迫した状況は適切でありません。

 

しかし、えてして多くの管理職やリーダーはその状況が切迫しているかどうかを考慮せず、早急にフィードバックをしてしまいがちです。

 

そのような状況で行われたフィードバックは、多くの場合うまく機能しません。

 

ちょっと想像してみるだけでもわかりますが、例えば手術中に出血を止めなければならない!という切迫した場面で、普段のカルテ記載についての注意点を上司から滔々と語られても、迷惑以外の何物でもありませんよね。

 

話を聞く余裕があって、内容を正確に把握するために質問をする機会もあって、お互いに敬意を持ってフィードバックを与える・受けることができて初めて意味があるのです。

 

 

 

優れたフィードバックには必ず、相手の話を傾聴する姿勢があり、自由回答方式の質問を交え、明瞭なコメントを含み、自制的で、承認や「I statement(私はこう思う、という構文)」を含みます。

 

もちろん、いくつかの教育病院ではフィードバックを全てが終わった後の振り返りとして行う場合や、切迫した状況でも行う場合があるかもしれません。

 

ただ、今回はあくまでも職場や教育の現場で行うon-going feedback(適時フィードバック、もしくは開発的フィードバック)について取り扱います。

 

ただ、どちらにしても効果的なフィードバックは職場の人間関係・信頼関係をより強固なものとし、結果として職場全体のモチベーション向上につながる可能性があるのです。

 

 

というわけで、次回はフィードバックに関わる早速積極的な傾聴の姿勢と効果的な質問について、タイミングが全てである、ということを学ぼうと思います。