第3章 「フィードバックを利用する」 うまく褒める
前回までは「フィードバックにおける自己管理」を学びました。
今回は「強みを見つけること」を勉強してみようと思います。
誰かの欠点や足りないところというのは目につきやすいものです。
失敗を指摘するのは、強みや長所を見つけて認めることよりもずっと簡単です。
新しいスキルを学ぶ人は手厳しく批判されるよりも、賞賛や激励を受けた方がより良い成果をだすことをマネジメント心理学の研究が明らかにしています。
話す内容の比率でネガティブなことを1としたらポジティブなことをおよそ5言うようにすることを勧めている研究もあるそうです。
優秀な管理者になりたいのであれば、その組織における文化を意識して、賞賛することをうまく活用しなければなりません。
もしも管理者が褒めることを一切しなかったとしたら、その組織のメンバーはモチベーションを向上させ続けるのが困難になりますし、彼らの上司に対する信頼も失われてしまうかもしれません。
上述した 「話す内容の比率」について書かれたレビューのなかで指摘されていることは
否定的なフィードバックは、絶対にやめなければならないことやすぐに回避すべきことがらを指摘するときには重要である。
ただし、明確な意図がある批判ですら、人間関係を破綻させ、地震や自主性を損なってしまううことがある。
批判は確かに行動を変えるが、最大の努力をするように仕向けることはできない。
ということです。
賞賛は過度に使われた場合や、あるいは心からのものでなければ、受け手は疑い深くなってしまいます。
特に、フィードバックが漠然としている場合にはその傾向が強くなるでしょう。
「あなたは素晴らしい!」と言う言葉は、具体的な行動を観察した上でしなければ、ただの甘言にしかならない。
「あなたは献身的に細部にまで気を配り、数ばらしい仕事を成し遂げた。それによって私たちはより良い行動をすることができた」などと言うべきである。
もしも誰かの強みを見つけるのが困難で、賞賛の言葉が薄っぺらく聞こえてしまうのではないかと心配するのであれば、素直に支持できる中立的な行動を指摘すると良いかもしれません。
例えば、こんな感じです。
「あなたが患者さんから十分な情報を引き出すために活躍してくれたことを知っています(謝辞)。
その上であなたにして欲しいことは、その情報をプレゼンテーション用にまとめることです。
その情報を他の先生がわかりやすいように理論的にまとめることです(修正)。」
と言うわけで、今回は「強みを見つける」「褒める」ことを勉強してみました。
僕自身も褒めることが苦手で、どうしても薄っぺらく思われてしまいます。
気をつけたいものですね。
次回は、「I Statments」 について勉強してみます。