第3章 「フィードバックを利用する」 I Statementを使う
前回は上手に褒めることを勉強しました。
今回は「I Statement」について勉強してみたいと思います。
「I Statement」とは、自分自身が見たことや観察したことを自分自身の意見として述べることです。
例えば、
「私が見ている限り、あなたの働きっぷりは素晴らしい」
「私はあなたの働きに満足している」
などです。
それに対してよくある過ちは、フィードバックの正当性を示そうと意図して第三者を使用することです。
例えば、
「他の人たちからあなたは……だと聞いている」
「私たちの部署では当たり前なことだけれど……」
などです。
これらのような第三者を用いた言い回しは、聞き手の防衛的な反応を誘発してしまうため、裏目に出てしまいがちです。
聞き手は、本来なら必要なフィードバックに集中することなく、「他の人たちとは誰か?」だとか「私たちの部署では別の噂が出てきている」などといった議論を初めてしまうかもしれません。
確かに「ほかの人が言っていたから」などという根拠でフィードバックをされても聞く気になれませんし、「私たちの部署で当たり前だから」などと言われても「いつの間に当たり前になったんだ?」と反抗心が芽生えてしまいそうです。
問題が懸念だと思っている場合や、誰かから伝え聞いた内容であった場合には、特定の相手に対するフィードバックにしない方が良く、そのような場面でも「I Statement」を使うのが良いでしょう。
「I Statement」を実際に使う例えは
「先週の回診であなたがこの分野で優れているのを私は見ていましたよ」
「私はあなたがその約束を急いで済ませていたのを見ましたよ」
などです。
このように「I Statement」を使うことで、より直接的で一次情報に基づいた強力なフィードバックになるのです。
というわけで、今回は「I Statement」について勉強してみました。
次回はなかなかフィードバックを受け入れてもらえなかった場合について勉強してみることにします。